透過型の液晶(Liquid Crystal)空間光位相変調器(SLM:Spatial Light Modulator)は2枚の
透明ガラス基板と透明電極の間に配置された液晶を電圧制御することによって、透過する光の
波面(位相の空間分布)を制御することが出来る新しい光学デバイスです。
レンズやプリズムなどの既存の固体光学デバイスは、固体ゆえ一度設計し製作した光学機能は
基本的に不変ですが、SLMは液晶を電圧で自由に制御できるため、固体光学デバイスの持つ
多様な機能を一つのデバイスで自由自在に実現することが可能です。
本デバイスを用いることで、偏光や回折の制御、収差補正、何らかの要因で不均一となった
光位相の補償、超短パルス光発生及び任意光パルス波形発生を目的とした光パルス整形などが
可能であり、光を用いた最先端研究に欠かせないキーデバイスとなっています。
◇独自技術により、紫外から近赤外まで超広帯域光に対し、高い透過率を持ちます
◇本SLM一台で300nmから1100nmをカバー
◇既存SLMより優れたレーザー耐性(よりハイパワーのレーザーを用いたアプリケーションに用いることが可能)
◇透過型のため光学デザインが簡便であり、既設光学系への組み込み設置なども容易
◇専用ソフトウェアによりPC等の外部制御が可能
1) K.Yamane, M.Yamashita et al, Opt.Lett.28(2003) 2258
2) M.Yamashita et al, IEEE J.Sel.Top.Quntum.Electron.12(2006) 213
3) E.Matsubara, M.Yamashita et al, Opt.Soc.Am.B24(2007) 985
4) 山下幹雄他、応用物理学会誌、76(2007) 154